Nait 50 Legacy
Naimのストーリーは音楽に情熱を傾けた一人の男から始まりました。それから50年、Naimは着実に歩みを重ね、今日に至るまで多くのアイコニックな製品を世に送り出してきました。
Naimの創設者Julian Vereker MBE(1945~2000)は、カーレーサー、起業家、さらに音楽へのその熱意から独学でエンジニアとしても成功を収めました。1960年代、時間をみつけては、友人のライブ演奏を聴き、その音楽を録音していたジュリアンは、自宅の音楽機器で再生しても、自分が望んでいるような音楽体験が得られないことに気づきました。
その結果、ジュリアンは自分自身でアンプとスピーカーを設計することを決意し、常識にとらわれず、音楽が生き生きとよみがえるような性能の機器を開発することを目指しました。これらの最初のデザインこそが、アイコニックで受賞歴もあるHi-Fi製品のベースとなり、それが次の世紀へと続いていくのです。

Naim Audioの設立から10年後の1983年に発表されたNait(後にNait 1と呼ばれる)は、エントリーレベルのアンプとハイエンドのプリパワーの組み合わせの中間に位置する製品でした。ターンテーブルとスピーカーを接続するだけで、今や定番のネイム・サウンドを楽しむことができるのです。このアイコニックなインテグレーテッド・アンプのサウンドは、当時のどのアンプとも異なるもので、いわゆる「スーパー・インテグレーテッド」の流れを作ったのです。

Nait 1と同じ「シューボックス」を採用したNait 2は1988年に登場しました。1989年にNaimが名高い「オリーブ」仕上げを導入するまでは外観はすべて同じ仕上げが施されていました。
デザインにおける最初の大きな変化がみられたのは、Nait 3でした。1993年に発表されたこの改良型は、以前のモデルよりも幅が広く、奥行きが浅くなりました。各チャンネルは30Wに増強され、ダイナミクスが向上し、1995年にはリモートコントロール・バージョンも発売されました。
2000年に入り、Naimの代名詞であるオールブラックがNait 5に導入されました。大型のトロイダルトランスと二重安定化電源を追加し、リモコンも標準装備しました

Nait 5のわずか3年後に発売された新しいNait 5iは、よりシンプルに、5のボリューム・ラダーをALPsポテンショメーターに変更し、リニア電源はより大きなトランスを使用し、出力を増加させました。Nait 5iはその間も、様々な変遷を経ており、現在も生産され続けています。

2007年にSupernaitが発売されたとき、デジタル音楽革命は既に本格化していました。 NaimはSupernaitにDACを導入し、外部電源や別のパワーアンプを追加できるようにすることで、次世代のインテグレーテッド・アンプに対応させました。SN2ではデジタル入力を廃止し、プリアンプステージにDRレギュレーターを搭載し、出力も向上させました。その後、2010年代後半のヴァイナル・リバイバルに合わせて、ムービングマグネット・フォノステージを追加したSupernait 3を発売しました。

発売当初、XSは初代のNaitシリーズと新しく発売されたSupernaitの中間に位置し、利便性かつ高級感が備わっていました。新たに開発された 「フローティング 」PCBマウント技術を採用したXSは、サウンド・パフォーマンスのさらなる向上を念頭に、様々な微調整が設計上施されました。3度目の改良となるXS 3は、MMフォノステージを内蔵し、性能と汎用性の向上を実現しました。

Naim創立50周年記念のためにデザインされたNait 50は、わずか1973台の限定生産で、その外観はぱっとみるだけだと初のNait 1と類似しているように見えます。しかし、よく見ると、フロントとリアは高品質のアルマイト加工が施され、バランス・コントロールはヘッドフォン・ソケットに変更され、LEDは白色に変更されています。
振動減衰のため、ボリューム・ノブも無垢のアルミニウムを採用しました。
内部は、Naimの技術専門家の豊富な知識と経験が生かされています。インプットセレクションにはフライ・バイ・ワイヤ制御を採用し、信号経路の長さを大幅に短縮し、NSC 222から新しいヘッドホン・アンプを大幅に改良しました。全く新しい独自のディスクリート・トランジスタMMフォノステージは、Nait 1のサウンド・シグネチャーを尊重したつくりです。プリメインアンプにはA級ディスクリート・トランジスター・ステージが採用され、パワーアンプには厳選されたオーディオマニア向けカスタムコンポーネントで構成されたクラシックなNaim AB級パワーアンプが搭載されています。
Nait 50は真のオーディオ愛好者向けインテグレーテッド・アンプです。